トイレトレーニングは、子どもの成長において重要なステップのひとつです。
特に初めての育児では、「どのタイミングで始めたらいいのか」「どんなふうに進めればうまくいくのか」と悩むことも多いでしょう。
また、仕事との両立を考えると、焦りやプレッシャーを感じる場面もあるかもしれません。
この記事では、トイレトレーニングを楽しく進めるための環境作りのポイントや、子どものやる気を引き出す方法を具体的にご紹介します。
子育てと仕事の両立を頑張る親御さんに向けて、負担を軽減するコツもお伝えします。
一緒に子どもの成長をサポートしていきましょう!
トイレトレーニングの基本:排泄の自立に向けた考え方
トイレトレーニングの始めどき
ママ:「トイレトレーニングって、いつから始めたらいいの?」
トイレトレーニングの開始時期は、一般的には1歳半から2歳頃と言われています。
この頃になると膀胱の発達が進み、尿や便を一定量ためて排泄できるようになります。
ただし、子どもによって発達のスピードは異なるため、周囲の子どもと比較せず、あくまでその子のペースを尊重しましょう。
また、新生児期からのおむつ交換も重要な土台作りです。
おむつを適度に頻繁に替え、清潔で快適な感覚を経験させることが、排泄の自立に繋がります。
よくあるつまずき:排泄の後戻り(退行)とは?
トイレトレーニングを順調に進めているように見えても、突然失敗が増えたり、トイレを嫌がったりすることがあります。どうしてでしょうか?
これを「排泄の退行」と呼び、子どもの心理的なストレスが原因となることが多いです。詳しくみていきましょう。
退行の主な原因
- 弟妹の誕生:母親の注目が新しい家族に向けられると、子どもが不安を感じることがあります。いわゆる赤ちゃん返りの時期とも言われていますね。
- 家庭環境の変化:引っ越しや親の仕事の変化による生活リズムの乱れ。
- 保育環境の変化:担当保育士の交代や保育園での出来事。
対処法
- 子どもが安心できるよう、たくさん抱っこしたり、スキンシップを増やしたりして愛情を伝えます。
- 困った行動があるときには、あくまでイケナイ行動についてはやめて欲しい旨を伝え、本人は大好きなんだよということを繰り返し伝えてあげましょう。
- 「いつになったらできるようになるかな、楽しみにしているよ」と伝えるのもいいですね。
- トイレトレーニングを少しお休みし、再スタートの時期を見極めます。
- 季節的には、秋から冬の季節は寒くなり、大人もですがトイレ間隔が近くなりやすくなるため、春から夏の時期の薄着になるタイミングに始めるとオムツが外れやすい事が多い印象です。
- 保育士や周囲のサポートを積極的に活用してみましょう。
- 保育園や幼稚園では、どのようにトイレに誘っているのか聞いてみるといいですね。
- なるべく通園しているクラスの先生の指導に合わせた声掛けや、トイレの雰囲気作りを先生方と共有していけると、お子さんにとっても安心して行動しやすいかと思います。
- 園ではできても家庭だと難しいこともあったり、またその逆も然りで、一筋縄ではいかないことも前もって知っておくだけで、心の余裕を持って接する事ができるでしょう。
トイレに誘うタイミングとサインの見極め
ママ:「どんなサインを見極めればいいの?」
「いくつかのサインを観察してみてください!例えば…」
トイレのタイミングを示すサイン
- おむつが濡れていない時間が長くなる
- 排尿や排便直前に以下のような行動が見られる
- 顔つきが変わる
- しゃがむ、中腰になる
- 物の影に隠れる
- 股を押さえる、腰を振る
- 落ち着きがなくなる
最近おむつの中に排尿排便したことを気にするようになった。
- がに股で歩く。
- じっと止まってしまう。
- 泣く。
- 出ちゃったと教える。
保育士のコツ✨
→排泄を伝えたことを保育者は喜び、教えてくれてありがとうと安心させます。
排泄の後始末も保育者にしてもらったら、パンツやオムツをつける前に便座に座ることを勧めます。
排泄は便器に座ってすると言うことを理解できるように導き、今度は出る前に教えてねと言葉をかけて促します 。
ママ:「それで、どう声をかけたらいいの?」
保育士のアドバイス:トイレへの誘い方
これらのサインに気付いたら、「トイレに行ってみよう!」と声をかけます。
また、遊びの途中の場合には「トイレが終わったら続きをしようね」など、遊びを中断してもまだ遊べることを伝えてあげましょう。
また、「トイレに行ったらお出かけするよ」など、行動の見通しを教えてあげるのもいいですね。
お漏らしせずにトイレに行けるようになるには、時間がかかります。
何度も何度もやさしく声をかけ、いろいろな誘い文句を用意しておくことや、トイレに行くと楽しそうな事があるかもしれないことを匂わせてみるなど、考えてみましょう。
しかし、声のかけすぎもよくないこともあるため、子どもの表情を見ながら調節しましょう。兄弟で比較はせず、個性だと受け入れてあげましょう。
保育士も毎日頭をフル活動しています!
楽しいトイレ環境作りのポイント:トイトレ・育児、仕事両立
ママ:「うちの子、トイレが怖いって言うのよね…。どうしたらいい?」
「トイレを楽しくて安心できる場所にしてみましょう!」
- 明るい照明にする
トイレは暗く狭いイメージがありますが、明るめの照明に変えるだけで、安心感が増します。特に子どもが怖がりやすい場合には、優しい色合いのライトを使うのも効果的です。 - 好きなキャラクターや絵を飾る
子どもの好きな動物やキャラクターの絵を壁に貼ると、トイレが「楽しい場所」として認識されるようになります。トイレのドアや便座にシールを貼るだけでも、子どもに親しみを感じさせることができます。 - 清潔で快適な空間にする
トイレ特有のにおいがあると子どもは敏感に反応します。こまめに換気を行い、消臭スプレーなど活用して良い香りを保つと効果的です。汚れがない清潔な空間であれば、子どもも安心して使えます。 - 温かみのある色調を取り入れる
トイレカバーやカーテン、ペーパーホルダーなどを暖色系の柔らかい色に統一すると、子どもに安心感を与えます。明るいデザインや柔らかい素材の小物を選ぶと良いでしょう。 - 遊び心を取り入れる
トイレまでの道を「冒険」に見立てて、「電車に乗ってトイレに行こう!」や「足跡をたどってみよう」など、楽しいストーリーを作ると、子どもが喜んでトイレに向かいます。ただし、遊ぶ場所ではなく、あくまでトイレであるということも同時に伝えるましょう! - 踏み台や補助便器を用意する
子どもの言う「怖い」の中に、トイレが大きくて怖いという意味もあります。成長に合わせたものを組み合わせて利用しましょう。 - 着脱しやすい場所を用意する
トイレ内にパンツやズボンを着脱するための低い台を置くと、自分で準備しやすくなります。「ここでパンツを脱ごうね」と声をかけ、行動を分かりやすくすることもポイントです。
ママ:「確かに、楽しい雰囲気なら行きたくなるかも!」
仕事と育児の両立をサポートするトイレトレーニングの進め方
ママ:「仕事と両立しながら、どう進めたらいい?」
「短時間でできる取り組みを習慣化するのがポイントです!」
仕事と育児を両立している場合、トイレトレーニングにかけられる時間やエネルギーが限られていることも多いでしょう。そこで、以下のポイントを押さえることで、負担を軽減しながら進めることができます。
1. トレーニングのゴールを焦らない
トイレトレーニングは、子どもの自立を促すプロセスです。
「早く完了させたい」と焦る気持ちを抑え、子どものペースに寄り添うことで、長期的に見て成功しやすくなります。
2. 短時間でできる取り組みを取り入れる
忙しい日々の中では、短い時間で取り組める方法が役立ちます。
例えば、朝の身支度やお風呂の前、寝る前のルーチンの中にトイレタイムを組み込むと、自然に習慣化しやすくなります。
習慣化するためには、人によってやり方を変えないことも大切です。家族で話し合い、簡単な時間割を決めて壁などに貼っておくことも意外と効果的です。読み書きできるようになってきていれば、ひらがなで子どももわかるようにしておくといいかもしれません。
必ずしも時間割通りに行かなくても大丈夫だということも伝えていきましょう。
保育園でも遊びの前後にトイレへの声をかけているところが多い印象です。
昼寝から目覚めておむつ交換をした時、濡れていなければ膀胱に尿が溜まっています。成功する確率が高い時なのでトイレの便器に座れるように誘います。
なぜなら習慣化できれば、大人がうるさく言わなくても自分で行ってくれるようになるからです。
3. 保育園や家族の協力を得る
トイレトレーニングは、家庭だけでなく保育園や家族の協力を得ることが成功のカギです。
保育士に現状を伝え、トイレ習慣をサポートしてもらうことで、家庭との一貫性が生まれます。
ママ:「家族で協力すると、私の負担も減りそう!」
4. 小さな成功を喜ぶ
忙しい中でも、子どもが自分でトイレに行けたときや、排泄を伝えられたときにはしっかり目をみて褒めてあげましょう。小さな成功を積み重ねることで、子ども自身のやる気が高まります。
5. ストレスをためない工夫をする
仕事と育児の両立でストレスを抱えすぎると、トイレトレーニングにも影響が出てしまいます。疲れたときは、トレーニングを少しお休みしても構いません。無理せず、自分の心身を大切にしましょう。
子どもが学べるトイレでの具体的な指導方法
お尻の拭き方
ママ:「トイレのあとのお尻拭いたり、手洗いも教えた方がいいの?」
- 女の子:前から後ろへ拭くことを教え、清潔を保つ方法を伝えます。
- 男の子:便がついた場合、丁寧に拭き取る習慣をサポートします。
保育士のアドバイス
「もちろん!でも、最初は大人がサポートしながら慣れさせていきましょう。」
「汚れは触らないようにしようね」「お尻をきれいにすると気持ちいいよ」といった優しい声かけが効果的です。
慣れるまでは、一度は子どもが拭いてみて、その後仕上げを大人がしてあげるとどのように拭くと良いのかアドバイスしやすいと思います。
紙で遊ぶような月齢の場合は、お話しして大人が拭いてあげます。
まずは、しっかりと便座に座って排尿ができるようになることが目安です。
意外と体の使い方がぎこちないんだなとか、指先にまだ力が入らないんだななど、体の発達面の理解にもつながります。
トイレットペーパーの使い方
- トイレットペーパーを適量引き出し、目安としてシールや絵を活用する。
- 紙を折りたたむ方法を見せながら教える。
- 自分で拭けたときは、「できたね!」と大きく褒めてあげましょう。
手洗いの習慣化
トイレ後の手洗いも、トイレトレーニングの重要なステップです。子どもが楽しくなるよう、かわいい石けんや手洗いの歌を取り入れるのもおすすめです。
まとめ
ママ:「トイレトレーニングって、やっぱり時間がかかりますね。」
「そうですね。でも、焦らずに子どものペースを大切に進めれば、必ず成功しますよ。 子供にとっても初めての経験です。怒らずに何度も伝えていくことがコツです!小さな成功を一緒に楽しみながら、親子で楽しく頑張っていきましょう!」
トイレトレーニングは、子どもにとっても親にとっても大きなチャレンジです。
特に初めての育児や仕事との両立に挑む親御さんにとっては、時にプレッシャーを感じることもあるでしょう。しかし、焦らず、子どものペースに合わせて進めていけば、必ず成功へとつながります。
大切なのは、親子で楽しみながらトイレトレーニングを進めること。
今回紹介したコツは、ほんの一例ですが、明るい環境作りや、子どもが自信を持てるような工夫を取り入れ、成長をサポートしましょう。
小さな成功を積み重ねながら、できたことを喜び、家族全員が笑顔で取り組めるトイレトレーニングを目指してください!
参考出典:乳児保育